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一課
第1課 日本の地理 読み物 「日本の地理」 みなさんは日本の四つの大きな島の名前を知っていますか。日本はユーラシア大陸の東にある島国で70%は山です。日本には東京のような、世界によく知られている都市がたくさんありますが、みなさんはどんな都市の名前を聞いたことがありますか。下の地図を見ながら探してみましょう。 |
二課
第2課 日本語のスピーチスタイル」 読み物 「日本語のスピーチスタイル」」
これは言いにくいことをはっきり言わない言い方です。例えば、パーティーに誘われて断りたい時、「今週の土曜日は都合が悪くて、行けません」と言うより「今週の土曜日は、ちょっと・・・」のようにはっきり言わないほうが相手の気分を悪くしません。「・・・」の部分で、お願いや断りの意味を相手にわかってもらうのです。これは、相手の気持ちを大切にする日本人の考え方が日本語に表れている表現の一つですから、{・・・」が使えるようになると、会話が上手に聞こえます。また話し言葉では、言葉を簡単に短くして言う言い方もよく使われます。例えば、次のような例です。 4.文の倒置
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三課
第3課 日本のテクノロジー 読み物 「人とロボット」 『私の面白い家族』 『私の犬』 上の例のようなロボットは、一緒に住めるペットのようなロボットだが、その他にも、犬の散歩をするとか、ダンスをするとか、楽器を演奏するとか、いろいろなことができる人型ロボットが作られている。それに、まだ人型にはなっていないが、自分で考えたり、学習したりするロボットもあるそうだ。近い将来、私達が人型のロボットと生活して、一緒にテレビを見て笑ったり食事をしたり、友達のように話したりする日が来るかもしれない。もちろん、掃除や洗濯もしてもらえたら、最高だけど…。 |
四課
第4課 日本のスポーツ 読み物 「スポーツを通して学ぶ心」 現代の日本人は、野球、サッカー、ゴルフ、スキーなど、いろいろなスポーツを楽しんでいる。若い人達だけでなく子供からお年寄りまでスポーツを楽しみ、そして、種類も、海、山、夏、冬のスポーツ、一人でするスポーツ、チームでするスポーツ、健康のためのスポーツなど、何でもある。テレビでも毎日のように、いろいろなスポーツ番組が見られるが、特に代表的なものは野球、サッカー、ゴルフ、テニス、相撲などだ。日本国内だけでなく、日本人野球選手が活躍しているアメリカのMLB(プロ野球のメジャーリーグ)や、サッカーのワールドカップ、オリンピックなどもすべてリアルタイムで見られ、スポーツ観戦はとても人気がある。 |
五課
第5課 日本の食べ物 読み物 「インスタントラーメン発明物語」 世界中の人々に広く親しまれている食べ物、インスタントラーメン。世界らラーメン協会のデータによると、2007年に全世界で消費されたインスタントラーメンは、978.7億食だそうです。世界で一番インスタントラーメンを食べる国は中国で501.1億食、その次はインドネシアの149.9億食、日本の54.6億食、アメリカの42.4億食、ベトナムの39.1億食、韓国の32.2億食と続きます。一人当たりの消費量が最も多いのはインドネシアで、インドネシア人一人が食べたインスタントラーメンは一年に約65.2食ということです。日本では、一年に一人当たり約42.0食を食べています。 |
六課
第6 課 日本人と宗教 日本語には「苦しい時の神頼み」という言葉がある。何か苦しい事や困った事があると、「神様、仏様、どうか助けてください」と言って一生懸命お願いするけれど、何もない時は、神様や仏様のことはあまり考えていないという意味である。また、家の中に神棚と仏壇のどちらも置いてあって、朝晩、神様と仏様の両方にお祈りする人々もいる。神道も仏教も共に生活の中にあるのだ。一つの神だけを信じている一神教の人がこのことを聞いたら、どうして神様と仏様を同時に祭ることができるのか不思議に思うかもしれない。 |
第6 課 日本人と宗教 読み物2 「日本の神話:天の岩戸」 日本の神話には、ギリシア神話のように、人間的な神様がたくさん出てきて活躍する面白い話が多く残っている。その中に天照大神という神様についての有名な話がある。どんな話かちょっと読んでみよう。 昔々、大昔、日本には天照大神という、神様の中で最も偉い太陽の神様がいて、高天原という昔の日本を治めていました。天照大神には須佐之男命とという弟の神様がいたのですが、須佐之男はとても乱暴で悪いことばかりするので、人々はとても困っていました。 ある日、須佐之男は天照の侍女を間違って殺してしまいました。それを知った天照は弟の乱暴に怒って岩の中に隠れてしまい、昼だった世界は急に夜のように暗くなってしまいました。太陽の神様の天照が岩の中にいて外に出てこないため、世界は何日も真っ暗な日が続きました。困ってしまった他の神様たちは、天照に岩の外に出てきてもらおうと彼女が隠れいている岩戸の前でお酒を飲みながら歌ったり踊ったり笑ったりして、大騒ぎをしました。そうすれば、天照がみんなは何をしているんだろうと思って外に出てくると考えたわけです。神様達は、真っ暗な中で、一生懸命歌ったり踊ったり、笑ったりしました。 外の大騒ぎを不思議に思った天照が少しだけ岩戸をあけて見ると、その瞬間を待っていた力持ちの神様が岩戸を全部あけて、天照を岩の外に出してしまいました。天照が外に出てきたので、世界は明るくなって、また昼が戻ってきたそうです。 この話は、昔の人が「日食」を説明するために作った神話ではないかと言われている。何も知らなかった昔の人々にとって、日食はとても怖いことだったのだろう。また、この神話からも分かるように、昔から神様は日本人にとって、人間と同じように笑ったり怒ったり喧嘩したりする親しみやすい存在だったのだ。 この天照大神を祭る神社は、日本全国に18,000 ぐらいあると言われていて、毎年多くの人々がお参りに訪れる。天照大神は21 世紀の現在でも大忙し!ということだ。 |
七課
第7課 日本のポップカルチャー 今、世界中で日本のマンガ、アニメ、ゲーム、キャラクタークッズ、Jポップなどのポップカルチャー・ファンが増えている。海外で「MANGA」といえば日本マンガのことを、「ANIME」と言えばディズニーなどのアニメーションではなく日本アニメのことをいう。また、日本で生まれたテレビゲームも「VIDEOGAME」として世界中に広まった。日本のポップカルチャーは、さまざまな国の経済や文化やファッションに影響を与え、ビジネスとしても大きいマーケットになっているのだ。 |
第7課 日本のポップカルチャー 「雨がザーザー降る」とか「赤ちゃんがよちよち歩く」というおもしろい言葉を聞いたことがありますか。こんな言葉を使ったことがありますか。「ザーザー」や「よちよち」のような音や様子を表す言葉をオノマトペと言います。日本語のオノマトペには、擬声語=動物や人間の声を表す言葉、擬音語=物の音を表す言葉、擬態語=動作や様子を表す言葉、の3つの種類があります。次の言葉はどの種類に入ると思いますか。 日本語は、オノマトペが世界一多い言葉だと言われていますが、どうしてこんなに多く使われるのでしょうか。実は、日本語はもともと動詞の数が少ない言葉で、例えば「笑う」という動詞に当たる言葉は「笑う」しかありませんが、英語にはlaugh、smile、giggle、grin、guffawといろいろあります。この英語を日本語で表わすとそれぞれ「笑う」「にっこり/にこにこ笑う」「クスクス笑う」「にやりと笑う」「げらげら笑う」となり、「笑う」の前にオノマトペをつけて表現することになります。オノマトペは動詞にバリエーションをつけるために使われる表現なのです。また、オノマトペはフォーマルな場面で話す時や文を書く時にはあまり使われないという傾向もあります。 <Onomatopoeia (Japanese
-- English)> |
八課
第8課 日本の伝統芸能 日本語では、笑いは様々な表現で表わされます。例えば、大声で笑う時は「ゲラゲラ」笑い、恥ずかしそうに小さい声で笑う時は「クスクス」笑います。他にも「きゃっきゃっ」と笑ったり、「ワハハ」と笑ったりしますが、みなさんは、これらの「笑い」には不思議な力があることを知っていますか。実は、「笑い」は人間の健康と深い関係があり、その効果は科学的にも証明されているのです。 |
第8課 日本の伝統芸能 今日は、日本の伝統芸能の一つである「狂言」の中の「くさびら」という話を皆さんに紹介したいと思います。この「くさびら」は、家の中にきのこがどんどん生え出してきたので、困ってしまった村人が、山伏にきのこを消してもらおうとする話です。山伏というのは、山で仏教の修行をしている人のことで、登場人物は、村人と山伏ときのこです。 ある日、突然、村人の家の中に、きのこがニョキニョキ生えだしました。びっくりした村人は、きのこを一生懸命抜きましたが、一本抜くたびに、また新しいきのこが、ニョキニョキ生えてきてしまいます。困った村人たちは山伏にお願いして、助けてもらうことにしました。自分には特別な力があると信じている山伏は、「私が祈って、きのこを消してあげよう」と言って村人の家にやって来ました。 |
九課
第9課 日本の教育 みなさんの国の教育制度は、現在、どのような制度になっていますか。どんないい点、どんな問題点がありますか。自分たちが受けてきた教育に満足していますか。この化では、教育について考えてみましょう。まず始めに、日本の教育制度や現在の状況について紹介しますので、そのあとで皆さんの国の教育について話し合ってみてください。 日本の教育制度は6・3・3・4制と言われ、小学校が6年、中学校が3年、高校が3年、そして、大学が4年となっている。それぞれに公立と私立があり、小学校と中学校は義務教育だが、高校から行っても行かなくてもいい。しかし、高校進学率は約98%なので、実際には高校に行かない人はほとんどいない。4年の大学への進学率は大体50%ぐらいだが、短大や専門学校への進学率も含めると80%近くの高校生が、上の学校に進む。義務教育の後でも進学率が高い日本だが、教育の現状には問題点も多く、特に以下の3つのことが挙げられる。 1番の「受験戦争」というのは、文字通り、中学や高校や大学の入学試験に合格するための競争は戦争のようだという意味だ。入学試験は普通一年に一回しか受けられない。生徒たちはその一回のチャンスのために、学校の後も塾に通ったりして、一生懸命勉強する。そして、大学の入学試験に失敗した高校生は、もう一度次の年の試験に挑戦するために「浪人生」になることが多い。「浪人」というのは、もともと「主人のいない侍」のことを意味したが、今は、希望の大学に入れなかったために予備校に行ったりしながら受験勉強をしている人たちのことを指す。その他、受験の厳しさを表す言葉には「四当五落」や「受験地獄」という表現もある。前者は、毎日4時間しか寝ずに勉強すれば大学に合格できるが、5時間以上寝たら試験に落ちるという意味、後者は、受験で苦しむのは地獄のようだという意味だ。そんな受験生がいる家庭では、家族も必死に協力する。自分たちが見たいテレビを我慢したり、夜中まで勉強する子供のために夜食を用意したりして、受験生が勉強しやすい環境を作るのだ。また、受験に縁起の悪い言葉「すべる」「落ちる」などは使わないように気をつけ、受験の神様が祭ってある神社に行って合格を祈るといったことをする。 では、どうして日本ではこのような厳しい受験の状況が生まれたのだろうか。理由の一つとして「学歴社会」が挙げられるだろう。日本では、有名大学出身者はいい会社に就職しやすく、地位も早く上がり、給料もたくさんもらえるという傾向があるのだ。一方、あまり有名ではない大学を出た人、あるいは、大学に行っていない人は、どんなに能力のある人でも、能力のあることをなかなか認めてもらえない。つまり、学歴社会とは、その人がどんな学校を卒業したかによって人生が決まる社会、いい大学に入れば将来の幸せも約束されるという社会なのだ。そこで、親たちは自分の子供を塾に行かせ、受験をしなくても有名私立大学に進めるエスカレーター式の小学校や中学校に入れようとする。2008年の文部科学省の統計では、小学生の約37%、中学生の約62%、高校生の約43%が塾に通っているそうだ。 このような現状がある一方、今のような学歴社会をいいことだとは思っていない日本人もたくさんいる。子供が学校や塾の勉強で忙しすぎて、子供らしく外で遊ぶ時間がないことを心配する人、学歴だけで能力を判断されることをよくないと思っている人は多い。日本では以前は、首相になる人はほとんど東大出身者ばかりだったが、最近は東大出身者以外の人も首相になるようになった。このことを歓迎する人が多いのも、学歴社会が決してよく思われていないからだろう。 2番目の問題は「いじめ」と「登校拒否」だ。「いじめ」ではひどい場合は、いじめられた子供が自殺してしまうことさえある。「登校拒否」というのは、いじめられたとか学校の勉強についていけないという理由で、学校に行かなくなってしまうことだ。これらの問題の原因はたくさんあって複雑だが、日本社会の「他人と同じようであることが求められる」「他人と違うことがあまりいい頃だとは思われない」という意識と受験教育のプレッシャーが、いじめや登校拒否を引き起こす主な原因だと言われている。 上に挙げたような問題から、日本の教育制度を見直そうと1980年代に「ゆとり教育」が取り入れられた。しかし、これが別の大きな問題を生み出す原因になってしまった。「受験のために偏差値(入学試験での合格の可能性を表す数字)をあげることを目的とした教育」に対して、「もっと子供たちの心を成長させるプレッシャーのない教育」という考えではじめられた「ゆとり教育」が、日本の子供たちの学力の低下を引き起こしてしまったのだ。以前は、世界でもトップレベルだった学力が、今ではとても低くなってしまい、アジアの国で4番目か5番目くらいにまで下がってしまった。ゆとり教育で学校で教える内容が減らされたため、その教育を受けた子供たちは常識的にだれでも知っているはずのことでさえ知らないという現象も出てきた。例えば、円周率は一般的には3.14だが、「ゆとり教育」では円周率は3まで覚えておけばいいというようなことを始めたのだ。その結果、自分の子供たちの学力低下を心配した親達は、いい大学に合格するためには義務教育だけに頼ることはできないと思い、ますます子供を塾に送るようになった。悪循環と言えるだろう。そこで、2007年に「ゆとり教育」が見直されることになり、現在、文科省で新しい教育の方法が話し合われている。 以上、述べたように日本の教育には様々な問題が存在するが、いい点もある。それは、日本国民である限り、誰でも、どこに住んでいても、どんな状況でも、義務教育がきちんと受けられるということだ。日本語の読み書きは大変難しいにもかかわらず、文字を読んだり書いたりできない日本人はほとんどいないし、計算ができない人も0%に近い。 また、義務教育で使われる教科書は全部、国の検定を受けていて、日本国民に与えられる基本的な教育には、住むところなどで大きい差は出ない。誰でも教育が平等に受けられるというのは、日本の教育制度のすばらしい点の一つだ。問題はいろいろあるが、全体的には日本の教育レベルは高いと言えるだろう。 教育の問題はどの国でも最も難しい問題の一つで、なかなかいい解決方法は見つからないようだ。これを機会に皆さんも自分の国の教育を見直して、いい点と問題点を挙げ、できればどうやって解決したらいいかも考えてみてはどうだろうか。 |